丸長











営業時間 11:30〜15:00  17:30〜19:30

定休日  水曜日

住所 東京都杉並区荻窪4−31−12




















今に始まったことではないが、全国繁華街に次々とラーメン屋がオープンしている

それぞれの思いを胸に秘め、成功を狙うため様々な趣向を取り入れ続けたラーメン屋は

次第にその姿を変えていった。











新しい味、新しいメニュー、新しい客層、新しい商法










方向性は様々ではあると思うが、総じて言うとラーメン屋のファミレス化と言うことが出来るかもしれない

従来の一軒家に併設された、薄暗い厨房にそれとつながっている客席といった店舗に代わり

明るい照明を据え、まるでレストランやカフェのような内装で家族連れや女性客の取り込みを図り

ファーストフードのように定期的に新メニューを発表したり、セットメニューの充実化を実施し

若者達を惹きつけようと画策している



ラーメン屋も当然「飲食業」なのだから、社会的に存続するためには

巨大化、連鎖化、マニュアル化と、あくまでビジネス手腕として「ラーメンを提供する店舗」を全国展開していく

こういった店の中には実際の現場での調理は殆どせず

本部工場で作った個食レトルトスープを温め、メン茹でをタイマーで計りと

アルバイト店員だらけの吉野家やマクドナルドと大して変わらない現場があったりする










あらかじめ断っておくが、自分はそういった現象を否定するわけじゃない

美味しいラーメンが食べられれば別にそれで構わない訳だし

そもそもただのラーメンファン(食べる方)がどうこう言う方が傲慢だ。意味が無い。










ただそういった店に、「味の濃厚化」みたいな共通の傾向がある気がする

いや、正確には「味の濃厚化」という表現は正しくないが

調理の方向性として、やたら背脂を浮かべたり、魚粉を大量に溶かし込んだり

とにかく刺激の強いスープを提供する店が増えてきた。




背脂浮かべた二郎も好きだし、魚粉を大量に使っているやすべえも大好きだが

今回紹介するのは、そういった路線とは違い、古くから伝わる

職人芸の粋を極めたラーメンである。




















前置きが長くなってしまったが、今回紹介する「丸長」は

荻窪ラーメン界の雄「春木屋」に並ぶ東京ラーメンであると思っている。





全国に70以上ある丸長グループの総本山がここ荻窪の丸長

創業は昭和23年というつけそばの超有名店である


・・・・であるとRDBで紹介されている。

自分で調べた訳ではないので裏づけが無いのは申し訳ないが

今まで千葉・勝田台(過去芦田宅対戦会が行われていた場所)や

埼玉にて同じ系列の店に通っていたことがあり

少なくとも全国的に同じ系列の店があることは確かなようだ。

そしてどこの店もかなりそっけない作りになっていて

いかにも昔ながらの中華ソバ屋、といった風情だ

実際、地元民がギョーザやシューマイをつまみにビールを飲む店でもある。













長くなってしまったので、とりあえず写真をご覧に入れよう

















麺は中太くらいであり、やや柔らかめの食感。腰が無いという訳ではなく

ソフトという表現が相応しい。

具に関しては、正直なところあまり注目するべき点は無い。




スープが逸品だ

カツオブシやサバブシ、トンコツやヤサイをベースにしたスープではあるが

それらはあまり自己主張はせず、後は醤油という調味料で一本に纏め上げた味だ

深い味わいがあり、それでいて何か突出した味を出そうというのではなく

敢えて「醤油」でキリッと味を引き締めている

よほどベースのスープが上物ではないと出せない味だ








前述した背脂ギトギトや魚粉投入の様なラーメンも美味しいし、自分も良く通うが

それらは、言い方は悪いが「子供にでも解る味」であり

こういったしみじみとした味わいのあるラーメンは

今や大変貴重なのだ

もしかしたら具もスープに合わせる為に敢えてシンプルにしたのかも知れない。










余談だが、丸長ではラーメン派とつけ麺派の二派に分かれ、よく議論がされている

どちらも美味しいし、お勧めだ。